インターネットがなかったその昔、趣味などに関する情報の取得は主に雑誌からであった。ネットの普及で書籍の販売部数が落ち込んだというのは周知のことだろう。
雑誌は鵜呑みにするのも阿呆であるが、参照すべきところは参照すべきであり、そのためのメディアリテラシーが必要とも言える。
昔は記事と広告の境目が曖昧であったが、今やほとんど広告なので逆に騙される心配はない。いや、進んで騙されるのも一興である。後述するがブランドが広告費にこれだけ資金と熱意を投じているのだから、もし金に余裕があるならば、その物語を消費するというのは消費者としてありだろう。金に余裕がない消費者にとっても、ブランドの蘊蓄と類似するメーカーなりを探せたりするので、ブランドの広告費はファッション界に貢献したということで無駄にはなるまい。
メンズプレシャスの発行部数は3万部である。販売価格1,200円だ。手元にある2017年春号は275ページフルカラーである。ファッション誌が原価割れしているという話はよく聞く。おそらくこれも原価割れしているのではなかろうか。
以下のサイトに広告費やら発行部数が載っている。
しかし、広告がこれほど高いとは知らなかった。1ページだいたい150万円ほどか。200ページが広告として広告収入は3億円だ(実際どこまでが広告だか判然としない。もっと少ないかも知れないし、もっと多いかも知れない)。
ブランドものなんて広告費を着てるようなもんだ、という意見もあるが、この世からもし広告がなくなってしまったら、味気ない世界になるとは思わないだろうか。お金持ちが広告にお金を払うことは、世界を極彩色にするために、必要な慈善事業かも知れない。
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