文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

モノへの憧れ

ものへの憧れが失われた、と言われている。確かに昔のものには、憧れがあったと思う。それはまた実用的でもあった。少なくとも実用の度合いは高かった。

例えばそれは、腕時計であり、万年筆であったり、車であったりする。しかし今、最も実用性の高いものといえば、スマホやノートパソコンだろう。ではスマホやノートパソコンが憧れの対象になるかと言うと、それは難しい。

スマホやノートパソコンはすぐに時代遅れになってしまう。時計や万年筆ももちろん時代遅れになる。しかし、その速度はスマホやノートパソコンに比べればはるかに緩慢である。スマホやノートパソコンの時間を人間は把握できない。ひきかえ、時計や万年筆に時間は人間が共有できるものともいえる。

時間を把握できない、未来の発展を把握できない、未来に対して期待が高いということだ。だがそれは同時に、現在に対する充足度の低さを意味しているのではないだろうか。未来に対する憧れが高まれば高まるほど現在はチープになっていく。