一昨日くらいに見た夢が異様に面白かった。
ミステリー仕掛けになっている上に、ループ物になっていて、壁に掛かった不気味なお面と地震が、様々な記憶を引き起こしていくのだ。
記憶はないのだけれども、なにかの表紙にループだと気づく。今まで注目していなかったオブジェが、突然ヒントになったり。
これは面白い! ベストセラー小説間違いないし! と目覚めてすぐに書こうとするが、様々な邪魔が入り、あれよあれよという間に記憶を失っていく。本当に、砂が指の間からこぼれ落ちるように、夢の記憶が失われていく。
ああ! なんてこった! と地団駄を踏んでいるところで、本当に目が覚めた。
夢の中で夢から覚めたのだ。だから、あの面白い物語は、夢のまた夢、ということになる。夢を見ていたときは大興奮だった。まだ、いくつかのシーンは覚えている。でも、それは断片的で、話の筋は完璧に忘れてしまった。ひょっとすると、そんなもには最初からなかったのかもしれない。夢の中で、面白い、という感情だけ芽生えたのかもしれない。
この日は珍しく、酒を飲まないで寝たのだ。だから今から、酒を飲まないで寝ようと思う。