文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

人間の悩みは人間の性能の悪さが故であろうか

小説を書いていて時々ふと思うことがある。人間はなぜこんなにも性能の悪い機体なのであろうか?

食欲、性欲、睡眠欲、さらに富、名声、愛国心、征服欲、優越感、競争心、こんなものを必要としなければ存在できないし存続できないとは。

小説とは人間を描くことであるが、もっと深く言えば、人間の性能の悪さを赤裸々に描いているようなものだろう。

最近AIがはやっている。倫理委員会がAIの使用基準を定めた提言書を作ったらしい。もし、うまい具合に人間にAIの機能が備わったとしたら、上記の性能の悪さと言うものは解消され、同時に小説もなくなってしまうのだろうか? もちろんそれはスーパーインテリジェンスにしかわからないことだろうが。

ただ人間はあまりにも矛盾が多すぎる。アドラーはすべての悩みは人間関係から生じると言ったが、人間関係から生じるものは矛盾である。

自己の欲望と自己の欲望を妨害する他者の欲望との矛盾である。とどのつまり、悟りの世界のような話になってしまうが、欲望がなくなれば矛盾は解消する。

しかし、他者とは自己の中に描かれる他者であるから、どれだけ己が欲望を消したとしても、他者から見て欲望を持った存在とみなされる場合、結局他者の矛盾に巻き込まれてしまう。