出張で某ビジネスホテルに泊まっている。明日講演をしなければならず、といっても講演は趣味であるが、そのためにお泊まりだ。二日連続ビジネスホテル暮らし。
今日の方が良い。なにより、部屋が明るいこと。本を読んだり書類を作ったりしなければならいので、部屋が暗いホテルは嫌いだ。ズボンのプレス機もある。使わないがな。
そして、大浴場も今日のホテルにはついている。
スリッパが部屋に用意されていて、「スリッパで館内を移動しないように」との但し書きがある。自分は真面目なので律儀にスリッパではなく高い靴を履いて大浴場へ行った。
わたしは長風呂である。とくに、浴場でのんびり湯舟に使っているのは至福である。しかし、今日ばかりは、靴が盗まれないか。盗まれないまでも、ほかの酔客などに踏まれぬか、心が乱されち全然ゆっくりと入っていられなかった。せっかくの大浴場が台無しである。
小心者は高い靴を履いてはならないのである。