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凡個性的

小説を書いていて、「凡個性的」という言葉を使った。でも、こんな日本語あるのかと、辞書を引いたがない。で、凡を広辞苑第五版で引くと以下の通り。

ぼん【凡】
(呉音。漢音はハン)
いろいろ。おしなべて。「凡百・凡例(はんれい)」
なみ。普通。「平凡・凡人」

凡にはこのほかにも、つまらない、とか、取るに足らない、とかの意味がある。「凡ミス」はつまらない間違えという意味。凡人は優れたところがない人。
上記の広辞苑では、なみ、普通の用例で凡人が出ているが、
「あなたは凡人ですね」
と言われて怒らない人はいないだろう。凡はかなり否定的な言葉。非凡は否定の否定で肯定である。非凡な人は褒め言葉

さて、凡個性的であるが、凡個性ならなんとなくわかる。つまらない個性、取るに足らない個性という意味になるだろう。つまり、個性を否定している。しかし、個性的となると、これ自体が「個性がある」という意味なので、凡個性的は「つまらない個性がある」「取るに足らない個性がある」という意味にもなりかねない。

もちろん、前後の文脈から「凡個性的な趣味」と書けば意味は通じるだろうが理屈的に考えていくと、この言葉の存在は相当に個性的かも知れない。