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小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

物の豊かさと心の豊かさ 70年代80年代 戦中の記憶

70年代から80年代にかけて物の豊かさから心の豊かさに変わってきたという。いわゆる3C(カラーTV、クーラー、自動車)などが行き渡った。あとはオプション的な問題で、本質的に必要なものはそろった。

これが物の豊かさの終焉であるという。自分はその時代に生きていないので、ものの豊かさがどのようなものであるのかは実感はできていない。

それまでは確かに貧しかったので、物が増えていくことは「物の豊かさ便利さ」だけではなく、心も同時に豊かにしたのであろう。しかし、それらが揃ってしまうと、ものを買うことにより心の豊かさを得られなくなってしまったという。

心の豊かさを物を買うこと以外で実現しなければならなくなったのが80年代以降なのだという。だが自分はここに疑問を感じるのである。物を買うことが心の豊かさにつながった時代、その時代であってもものを買うことだけが心の豊かさではなかったはずである。

それは今と変わらないのではないだろうか。むしろ物質的な豊かさが手に入らないのだから、今よりも非物質的な心の豊かさは旺盛だったとも考えられる。つまり、現在豊かさを実感するのが難しくなったという原因に、「物の豊かさを実感できないから」という理由はあたらないのではないのかと推測する。

終戦記念日にふと思ったのだ。昔も今も「豊かさ度」はさほど変わらないが、戦争当時と比較して、70年代は物質的にも精神的にも豊かになった。だから、豊かだと実感できた。だが、80年代以降は比較する戦中というものが記憶の中からなくなったので、「豊かさ度」は変わらずとも、豊かではないと感じるのではなかろうか。