ささやかな家庭菜園をやっているのだが、そこで出来た野菜が旨い。
人はパンのみにて生きるにあらず、というが、自給自足の生活はある意味憧れですらある。
自分が食べるものだけを作って、それを食って命を繋いでいく。時には飢えることもあろうが、現在の生きることが当たり前になってしまっている現代先進国のアンチテーゼになるのではなるまいか。
いつ死ぬかわからない蓋然性が高いほど、人生の希少性は高くなるのではないかと考えた。これは今書いている最新作のテーマである。先進各国の人々は昔に比べて格段に死ににくくなった。その代わりに、なにを失ったかというテーマ。
原始人は劣った存在だと見なされがちであるが、現代人よりも幸せだったかも知れない。
余剰生産とともにうまれた無数の利便的な物品や社会システムは、どの程度人々を幸せにしたのであろうか。最終戦争で、人類は人類の手により滅亡するとしたら、我々は一体何のために発達してきたのであろうか? そして、それは発達と呼べるようなものなのであろうか?