文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 

21 芸術について

かな書 紀貫之 仮名序

名文中の名文である。 ↓これを参照した。 一週間で読めるくずし字 古今集・新古今集 作者: 兼築信行 出版社/メーカー: 淡交社 発売日: 2006/02/02 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (1件) を見る やまとうたは、人の心を種と…

大門の礎苔にうずもれて七堂伽藍ただ秋の風

わたしはこの歌を最初に見たとき、七堂伽藍が目に浮かんだ。その朱塗りの大門の礎に苔が生している。そんな光景である。 しかし、毛越寺が再建されたのは1989年。佐々木がこの歌を詠んだ当時、毛越寺は焼失して存在していなかった。故に、「ただ秋の風」なの…

令和をボールペンで上手に書いてみる 楷書 行書

どうだろう。5ミリ方眼なので、1センチ枠の中に書いてみた。田中鳴舟先生の硬筆新辞典を参照しているが、硬筆新辞典の令は中が「マ」だった。でも、みんな「令」が書きたいと思うし、わたしも「令」と書きたいのでいろいろな書を参照して書いてみた。 使用…

和歌のルール 久しぶりに面白い本の出会った。日本の二面性。

和歌のルール 作者: 渡部泰明 出版社/メーカー: 笠間書院 発売日: 2014/11/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 複数の著者が項目ごとに書いている。どのような項目があるかというと、枕詞、序詞、見立て、掛詞、縁語、本歌取り、物名、…

かな書 くれなゐの色を見てゐる寒さかな

ペンの光 2016年11月号 「くれない」は普通暖色であるので、それと寒さを組み合わせるのが意表を突いているという歌である。 このくれないはなにをさしているのか。夕日だろうか。花だろうか。様々な憶測ができるが、特定してしまうことはこの歌の味わいを損…

今日はバッハの誕生日 バッハの魅力について

グーグルを開く人は気がついたであろう。今日はバッハの誕生日である。 バッハはユリウス暦1685年3月21日に生まれた。 グーグルのバッハをクリックすると、どんなメロディもバッハが和声付けしてくれる。なんとなくバッハっぽい曲が出来る。 和声学とか対位…

かな書 袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ

ここのところ、忙しすぎ忙しお、である。 なかなか19時半までに更新できない。早く暇になりたい。忙しいは心を亡くすと書く。忙しくなくても心が生きてるかは微妙だがな。 紀貫之の歌である。 この歌は一週間で読めるくずし字に出てきたが、普通にスルーして…

かな書 春過ぎて織る糸の白く果てなきを

ペンの光 2017年2月号より 安斎桜磈子の句である。安斎は575にとらわれない新傾向派の俳人だが、これは中7が一文字多いだけだ。 糸を織る。言い表現である。白が果てしないというのも、情景が浮かぶ。 わたしはよくはがきを出すのであるが、官製はがきでは…

かな書 春霞たてるやいづこみよしのの吉野の山に雪はふりつつ

春霞たてるやいづこみよしのの吉野の山に雪はふりつつ ちなみにデュマで書いている。万年筆は△となっていたが、問題なし。 素晴らしい歌である。 春霞はどこに立っている? 吉野の山にはまだ雪が降っているぞ という意味。 やっと昨日今日春らしくなってきた…

かな書 天の原あかねさし出づる光にはいづれの沼かさえ残るべき

一週間で読めるくずし字 より 天の原あかねさし出づる光にはいづれの沼かさえ残るべき これも菅原道真が左遷で悩んでいるときの歌。 かな書 あしびきのこなたかなたに道はあれど都へいざといふ人ぞなき - 文学・文具・文化 趣味に死す! ↑これの次の歌。 あ…

かな書 あしびきのこなたかなたに道はあれど都へいざといふ人ぞなき

雪が積もるだろうと期待していたが、期待外れだった。雪はいい。雪のおかげでなにもしなくて良いようになる。前に、インフルエンザは忙しい現代人にとって福音にあらぬか、と書いたが、雪もまた福音なり。今回は福音たり得ずに止んでしまった。 さて、本題。…

かな書 葛の花くぐりて響く流かな

ペンの光 二〇一六年八月号 葛の花くぐりて響く流かな 石昌子の句。石昌子は杉田久女の長女。杉田久女は虚子の弟子。 葛の花の下を小川が流れているのであろうか。そして、葛の茂みを通って音が伝わってくる。そんな感じなのだろうか。 「花」という字が見慣…

かな書 楽しみは湯沸かし湯沸かし埋火を中にさしおきて人と語るとき

ペンの光 2016年12月号より 橘曙覧の歌である。橘曙覧は明治になる10日前に死んだので、江戸時代の歌人である。 今回の手本では「湯わかし湯わかし」となっていたが、「湯わかしわかし」となっているものもある。 独楽吟という歌集で、全部「たのしみは」で…

かな書 苔の上ひとつひとつの散り紅葉

ペンの光 2016年12月号より いい句である。苔の上にもみじが散っている様がよく浮かぶ。 長谷川素逝の句である。高浜虚子の弟子である。 虚子の息子の高浜年尾に、似たような句がある。 苔の上に掃き寄せてある散紅葉 ちょっと散文的かな。 もちろん、そんな…

かな書 色無しと人や見るらむ 昔より深き心に染めてしものを

ペンの光 2015年9月号 色無しと人や見るらむ昔より深き心に染めてしものを 源能有が中納言になった藤原国経に送った歌。 どうやら、無地の織物を送るときに添えた歌らしい。本来は布に色を染めるのだが、染めていない。だから、無色に見えるが、 「おまえな…

かな書 海ひかり麦の穂ひとつづつ光る 伊東屋で買った鉛筆

ペンの光 2015年九月号 海ひかり麦の穂ひとつづつ光る と書いてある。 詠み人は水野淡生。 ググったがあまり情報がなかった。 先日、渋谷の伊東屋に行ったと書いたが、なにを買ったかと言えば、メモノートと鉛筆である。九歳児が鉛筆を使っていて、その鉛筆…

かな書 おりたちて 今朝の寒さを驚きぬ 露しとしとと 柿の落葉ふかく

ペンの光 2015年 11月号 伊藤左千夫の歌。 美しい歌である。 柿の葉は阿呆みたいに振ってくる。それが地面に積もり厚みをおびているさまがよく歌い上げられている。 今回は字母で書いてみた。 四行目の「の」が普通のひらがななのはご愛敬と言うことで。 ペ…

かな書 嵐ふく草の中よりけふの月

ペンの光 2015年11月号より 1780年に没した三浦樗良の作品である。 けふの月とは中秋の名月のことらしい。 風が強い中、ススキだろうか、草むらの向こうから満月が上る。正に、詩的な光景である。 万年筆はシェーファー、デルタグリップ。 この万年筆は鉄ペ…

かな書 古筆 思はぬにわが足もとゆまひ立ちて浪を越えつつ千鳥啼くなり

ペンの光 2016年3月号 思はぬに わが足もとゆ まひ立ちて 浪を越えつつ 千鳥啼くなり わが足もとゆ、の「ゆ」は聞き慣れないかも知れない。 「から」という意味である。 突然、足元から飛び立った千鳥が、浪を越えながら啼いている。 「ゆ」には経由点の意味…

かな書 古筆 春なれや名もなき山の朝霞

ペンの光 2016年3月号より 春なれや名もなき山の朝霞 芭蕉の句である。 春なれや。美しい。春なり、に詠嘆の「や」がつく。「春なれば」に「や」がついて、「ば」を略したとかなんとかも聞いたことがある。 春なれや。 訳し方は二つあって 「春になったなぁ…

かな書 はなすすき風になびきて乱るるは結びおきてし露や解くらん

ペンの光 2017年1月号より はなすすき風になびきて乱るるは結びおきてし露や解くらん 花すすきとはススキのことである。 そのススキについた水滴が、風を受けて舞う。わたしにはこの水滴が、光を浴びながら飛ぶ、そんなイメージが浮かんだ。じつに美しい歌で…

かな書 木枯らしの地にも落とさぬ時雨かな

ペンの光 2017年1月号より 向井去来の句である。 もともとは、 木枯らしの地まで落とさぬ時雨かな であったが、芭蕉に添削されて、 地にも落とさぬ に変わったという。 このサイトに詳しく書いてあった。 凩の地にもおとさぬしぐれ哉(去来): 古典・詩歌鑑…

かな書 むらぎもの心楽しも春の日に鳥の群がり遊ぶを見れば

ペンの光 2016年4月号の課題。 むらぎもの心楽しも春の日に鳥の群がり遊ぶを見れば 良寛の作である。 むらぎもの心楽しも春の日に鳥の群れつつ遊ぶを見れば というのもあった。 群がって遊んでいるのと、群れつつ遊んでいるのではちょっとイメージが違う。 …

諸賢は「かな書」というのをご存知だろうか

わたしは去年までペン習字をやっていた。ペンの光というものである。 美しい文字や、綺麗なはがき、などというのは、おそらく、ほとんどの人が見て、綺麗であると認識できるはずである。 しかし、ペンの光には「かな部」という分野があり、かな書、とか、か…