文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

02 小説作品

仮面の告白 三島由紀夫 を読んだ。感想 レビュー

仮面の告白 (新潮文庫) 作者:由紀夫, 三島 メディア: 文庫 三島の自伝的小説である。 二十四歳でこれを書くとかって、どれだけ天才なの? 文章はもとより、構成もシナリオもピカイチである。 もちろん、読みにくい小説ではある。さくさく読める小説とは全然…

螢川 宮本輝 を読んだ

螢川・泥の河 (新潮文庫) 作者:輝, 宮本 発売日: 1994/11/30 メディア: 文庫 宮本輝の芥川賞受賞作品。非常にレベルの高い芥川賞作品である。 宮本輝の小説は一言で言うと「めちゃくちゃ上手い」 読みやすいし、場面がすらすらと頭に入ってくるし、人間は目…

橋ものがたり 藤沢周平 を読んだ 感想 レビュー

橋ものがたり (新潮文庫) 作者:周平, 藤沢 メディア: 文庫 橋をからめた10編のものがたりが納められている。 どれも江戸町人の話であり、チャンチャンバラバラは入っていない。武士もほとんど出てこない。 舞台が江戸なので知った地名がちょくちょく出てくる…

ベッドタイムアイズ 山田詠美 を読んだ 感想 レビュー

ベッド タイム アイズ指の戯れ・ジェシーの背骨 (新潮文庫) 作者:詠美, 山田 発売日: 1996/10/30 メディア: 文庫 スプーンというイカレた黒人とキムという日本人ビッチが同棲する話。 キムは韓国人ではなく日本人だ。紛らわしい命名である。中学の時、木村君…

Xの悲劇 エラリークイーン を読んだ 感想 レビュー

ネタバレなし。 推理小説のネタをばらすほど野暮ではない。 Xの悲劇 (角川文庫) 作者:エラリー・クイーン 発売日: 2009/01/24 メディア: 文庫 Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫) 作者:エラリー・クイーン 発売日: 2019/04/24 メディア: 文庫 ↓わたしが読んだ…

犬とハモニカ 江國香織 を読んだ 感想 レビュー

犬とハモニカ (新潮文庫) 作者:江國 香織 発売日: 2014/12/22 メディア: 文庫 川端康成文学賞を取った作品らしい。 30ページほどの短編である。様々な人物の視点から、ある空港での出来事を描写した実験的な作品。短い作品なのであるが、濃密に描かれている…

武器よさらば ヘミングウェイ を読んだ 感想 レビュー

わたしはもともとマスクはしない質だし、買おうと思っても買えないので、別にどうでもいいや、という感じなのだがトイレットペーパーがないのは最悪である。いつもはガラガラガラガラと豪快に出して拭いていたが、昨日からは使用制限をかけて、ほんのちょっ…

死者の奢り 大江健三郎 を読んだ 感想 レビュー

死者の奢り・飼育(新潮文庫) 作者:大江 健三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/03/14 メディア: Kindle版 一読して非常に村上春樹に似ていると思った。それは、主人公がどこか虚無的なところ。 女が、独自の論理を持っているところ。 死者達がプー…

犬神家の一族 横溝正史 を読んだ 感想 レビュー

しっかし、連日コロナコロナで大騒ぎしていい加減飽きた。致死率も死亡者数も感染力もインフルエンザの方が上。正直何を騒いでいるのかわからん。 やっかいなイベントが中止になってくれるのは嬉しい限りであるが、楽しみにしていたイベントが中止になるのは…

楊貴妃伝 井上靖 を読んだ。感想 レビュー

楊貴妃伝 (講談社文庫 い 5-2) 作者:井上 靖 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1972/09/01 メディア: 文庫 唐の玄宗の時代。安禄山の乱により非業の死を遂げる。絶世の美女とうたわれる楊貴妃の入内から死までを描く作品。 面白すぎる史実なので、つまらない…

娼婦の部屋 吉行淳之介 を読んだ 感想 レビュー

娼婦の部屋・不意の出来事 (新潮文庫) 作者:吉行 淳之介 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1966/11/14 メディア: 文庫 吉行淳之介ほど有名で且つ読まれていない作家は希なのではないだろうか。 吉行作品は何作か読んだことがあるが、疲れるのである。しかも…

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 村上春樹 を読んだ 感想 レビュー

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫) 作者:村上 春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/04/08 メディア: ペーパーバック 今タイトルを打ち込んでいて気がついたのであるが、普通にワープロソフトで「おわり」打って変換…

静物 庄野潤三 を読んだ 感想 レビュー

愛撫 静物 庄野潤三初期作品集 (講談社文芸文庫) 作者:庄野潤三 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/04/25 メディア: Kindle版 これも名作と言われているものであるが、正直難解な作品である。 作品自体が読みにくいとか言う意味ではない。内容は、ごく平…

夏の闇 開高健 を読んだ 感想 レビュー 

夏の闇 (新潮文庫) 作者:開高 健 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1983/05 メディア: 文庫 名作中の名作と言われている作品である。 わたしは開高健の名前をその作品ではなく、万年筆で知っていた。モンブラン149の1970年代ごろの作品が開高モデルと呼ばれ…

幼な子の聖戦 木村友祐 を読んだ 芥川賞候補作品 感想 レビュー

幼な子の聖戦 作者:木村 友祐 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2020/01/24 メディア: 単行本 すばる 2019年 11 月号 [雑誌] 作者: 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/10/04 メディア: 雑誌 わたしはすばるで読んだ。 また方言だよぉ、と辟易しながら読…

背高泡立草 古川真人 を読んだ 芥川賞候補作品 感想 レビュー

無事残りの2冊も借りられた。 芥川賞候補作品がこんなにサクッと借りられてしまう。芥川賞の世間からの注目度が下がっていることを痛感せずにはいられない。 ただ、ここまで芥川賞作品や候補作品を読み進めてくると、それはなんとも仕方が無いようにも思えて…

ゴールデンボーイ スティーヴン・キング を読んだ。感想。レビュー。

邦題は「恐怖の四季」となっているが、原題はDifferent Seasonsである。 ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫) 作者:スティーヴン キング 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1988/03/30 メディア: 文庫 四つの短編からなっており、ゴールデンボーイ…

デッドライン 千葉雅也 を読んだ 芥川賞候補作品 感想 レビュー

新潮 2019年 09 月号 [雑誌] 作者: 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/08/07 メディア: 雑誌 デッドライン 作者:千葉 雅也 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/11/27 メディア: 単行本 わたしは新潮の方で読んだ。 先ほどちらっとAmazonレビューの方…

海と毒薬 遠藤周作 を読んだ。 感想 レビュー

新装版 海と毒薬 (講談社文庫) 作者:遠藤 周作 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2011/04/15 メディア: 文庫 面白い。 最近、意識的に名作を読もうと心がけている。読めば読むほど、文学、小説の世界は広がっていく。こういう書き方があるのかと勉強になる。…

音に聞く 高尾長良 を読んだ 芥川賞候補作品 感想 レビュー

音に聞く 作者:〓尾 長良 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/11/20 メディア: 単行本 文學界 9月号 作者: 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/08/07 メディア: 雑誌 わたしは文學界の方で読んだ。 恐ろしく美しい文章で恐ろしく中身のない話しだ…

檸檬 梶井基次郎 を読めなかった 感想 レビュー

檸檬 (新潮文庫) 作者:梶井 基次郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/10 メディア: 文庫 わたしが読んだ装丁はこれ。 この写真だと普通の黄色だが、実際は相当な蛍光イエローである。 わたしは普段カバーもかけることなく、装丁のまま読んでいるが、こ…

最高の任務 乗代雄介 を読んだ 芥川賞候補作品 感想 レビュー

群像 2019年 12 月号 [雑誌] 作者: 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/11/07 メディア: 雑誌 最高の任務 作者:乗代 雄介 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2020/01/11 メディア: 単行本 1月に単行本で出るらしい。わたしは群像の方で読んだ。 なんとも感…

車輪の下 ヘルマン・ヘッセ を読んだ。感想 レビュー

車輪の下 (新潮文庫) 作者:ヘルマン ヘッセ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1951/12/04 メディア: 文庫 べつにオープンカーつながりで車輪、を選んだわけではない。 ちなみに、前回レビューした「哀愁の町に霧が降るのだ」の中でちょっと車輪の下が出てく…

葵上を読んだ & 観た

近代能楽集 (新潮文庫) 作者:三島 由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1968/03/27 メディア: 文庫 三島由紀夫の近代能楽集の一つに葵上というものがある。光の妻の葵を六条という光の愛人? の生き霊が呪い殺すという話である。 わたしは葵上、の「上」…

哀愁の町に霧が降るのだ 椎名誠 を読んだ 感想 レビュー

哀愁の町に霧が降るのだ 哀愁の町に霧が降るのだ (上) (小学館文庫) 作者:椎名 誠 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/08/05 メディア: 文庫 もともとは上中下であったあが、文庫では上下巻である。 椎名誠の中学校時代から昭和57年ごろまでの自伝小説で…

李陵 中島敦 を読んだ 感想 レビュー

李陵 作者: 中島敦 発売日: 2012/09/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 山月記も面白かったが、李陵はちょっとレベルが違った。 李陵という前漢の時代の武将の話である。北狄に攻め込んだ李陵は捕らわれてしまうのだが、その捕らわれ…

砂の女 安部公房 を読んだ 感想 レビュー

砂の女 (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/03 メディア: 文庫 購入: 19人 クリック: 197回 この商品を含むブログ (346件) を見る 比喩がすごい。上手い比喩から訳のわからないものまで、一ページの中に無数にちりばめられてい…

ティファニーで朝食を カポーティ を読んだ 感想 レビュー

ティファニーで朝食を 作者: トルーマン・カポーティ,龍口直太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1996/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 最近は村上春樹訳の方が有名かも知れないが、わたしが読んだのは龍口直太郎訳である。 ティフ…

キッチン 吉本ばなな を読んだ 感想 レビュー

キッチン 作者: 吉本ばなな 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2013/10/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る キッチンとキッチン2は別々に発表されているというは意外だった。というのも、キッチンだけでは到底完結しているとは思えない。キッ…

しろばんば 井上靖 を読んだ 感想 レビュー

しろばんば (新潮文庫) 作者: 井上靖 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1965/04/01 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 24回 この商品を含むブログ (22件) を見る ほぼ主人公の洪作の視点で、洪作の小学校時代が描かれている。時代は大正4年(1915年)から10…