02 小説作品
群像 2023年 12 月号 [雑誌] 講談社 Amazon 猿の戴冠式 作者:小砂川チト 講談社 Amazon わたしは群像で読んだ。 小砂川氏は第167回にもノミネートされている。家庭用安心坑夫はなかなか面白かった。 yoshinori-hoshi.hatenadiary.jp ぶっちゃけ、前回の方が…
文學界 2023年10月号[雑誌] 文藝春秋 Amazon アイスネルワイゼン (文春e-book) 作者:三木 三奈 文藝春秋 Amazon わたしは文學界で読んだ。 三木氏は第163回にもノミネートされていて、その時の感想はこちら。 yoshinori-hoshi.hatenadiary.jp さて、本作は文…
Blue (集英社文芸単行本) 作者:川野芽生 集英社 Amazon わたしはすばる8月号で読んだ。この人の作品は初めてである。 2023年すばる8月号は特集として「トランスジェンダーの物語」が組まれている。8月号の約半分がこの特集である。その中の1つとして、…
わたしは新潮で読んだ。 東京都同情塔 作者:九段理江 新潮社 Amazon 新潮2023年12月号 新潮社 Amazon 単行本のリンクも貼ってみたが、この表紙のビルは小説のイメージと全く違う。これで良いのだろうか? 九段氏の作品で過去に読んだものを以下に貼る。 第16…
文藝 2023年秋季号 河出書房新社 Amazon 安堂氏は第168回でもノミネートされている。その作品の感想はこちら↓ yoshinori-hoshi.hatenadiary.jp 今回もゲイの話である。この著者自身の話なのか、ゲイと言っても黒人系ゲイである。 文体も、ネタも、前回の「ジ…
我が手の太陽 作者:石田夏穂 講談社 Amazon 群像5月号は売り切れでリンクが出てこなかった。わたしは群像で読んだ。 石田氏の前候補作の感想はこちら。 第166回芥川賞候補作 石田夏穂「我が友、スミス」を読んだ - 文学・文具・文化 趣味に死す! 今回は前作…
文學界2023年6月号(創作 乗代雄介「それは誠」 九段理江「しをかくうま」 文藝春秋 Amazon 乗代氏は今回4度目のノミネート。ちなみに、過去3作品は全部読んでいる。 第166回芥川賞候補作 乗代雄介「皆のあらばしり」 を読んだ - 文学・文具・文化 趣味に…
文藝 2023年夏季号 河出書房新社 Amazon 2006年から2008年の物語と、2017年の物語が同一の主人公で描かれている。主人公はいわゆるジュニアアイドルであり、2006年に於いて、現在では児童ポルノに該当する活動をしている。 しかし、当時は児童ポルノ自体の概…
新潮 2023年2月号 新潮社 Amazon 選考会は7月19日らしい。 余裕で全部読めそうである。 千葉氏は三度目のノミネート。 過去のわたしの書評をみたら、ケチョンケチョンに貶していた。 デッドライン 千葉雅也 を読んだ 芥川賞候補作品 感想 レビュー - 文学・…
ハンチバック 作者:市川 沙央 文藝春秋 Amazon 文學界(2023年5月号)(第128回 文學界新人賞決定発表) 文藝春秋 Amazon 文學界新人賞受賞作である。 これは文句なしで受賞したことだろう。久しぶりに圧倒的な出来映えの作品を読んだ。 ネタバレ有り ハンチ…
すばる2022年11月号 集英社 Amazon すばる文学賞受賞作品である。 文学賞受賞作品にしては非常に読みやすい作品。すらすらと読め、また登場人物も等身大である。 テーマは結婚をしない女性、結婚を諦めようとする女性、それに付随して、卵子凍結や同性でのル…
ジャクソンひとり 作者:安堂ホセ 河出書房新社 Amazon どうにか候補作、全作品を読んだ。発表は19日だからギリギリである。受賞作予想は明日する。 本作品は日本に暮らす黒人ゲイの話。 文体が特徴で、三人称多視点なのだろうか、なかなか読みにくい。さらに…
新潮2022年12月号 新潮社 Amazon 今回は本当にTHE純文学が続く。 この小説も面白い。最初は、また3.11ものか、と食傷を感じたが、読んでいくと3.11は切っ掛けのひとつで、物語の本質には関わってこない。むしろ、3.11は特別な不幸ではなく、普遍的な不幸であ…
文學界(2022年11月号) 文藝春秋 Amazon AV女優の化粧師が主人公の話。 今回の候補作の中では今のところ一番面白かった。 著者自身が元AV女優ということだけあってか、AVの撮影シーンだけはリアルで面白い。ただ、これが需要があるかと問われれば微妙である…
群像 2022年 11 月号 [雑誌] 講談社 Amazon なかなか評価が難しいし、評価が分かれる作品だと思う。 あらすじ。主人公は南部に住むアメリカ人の両親から生まれ、継父のイラン人にアメリカ南部で育てられて、日本に留学している。その主人公がお盆休みで故郷…
群像 2022年 07 月号 [雑誌] 講談社 Amazon 私小説でもない。この二人称はなんなのだろうか? 本作は二人称でかかれているが、一体だれが語っているのか。作者だろうか。 小説の内容は単純で、主人公はショッピングセンター(イオンみたいな。モールじゃない…
ちょっとほったからかしたつもりが、ひと月も経っている。時の経つのは早い。恐ろしい。 一路(上) (中公文庫) 作者:浅田 次郎 中央公論新社 Amazon つまらなくはないのだが、浅田作品としたらちょっと、いや、かなりデテールが甘いというか、プロットが甘…
群像 2022年 06 月号 [雑誌] 講談社 Amazon この作品は文章が上手い。 意味不明な、精神がおかしい主人公、支離滅裂な話を文章の上手さ一本でカバーしている。 もし、掲載される媒体を伏せて、この作品の原稿を読んでジャンル分けせよ、と問われれば、「ホラ…
群像 2022年 01 月号 [雑誌] 講談社 Amazon 二谷視点の三人称と、押尾の一人称で交互に物語は進む。デザイン系会社のある出来事が描かれている。この小説の中の世界は、この会社の中だけなので、わかりやすい作品である。 これでもかというほど、心理描写が…
文學界(2022年6月号) (創作 鈴木涼美 対談 千葉雅也×マキタスポーツ) 文藝春秋 Amazon 30歳手前の繁華街で働く女性の話。その母親というのが詩人を目指していて、しかし売れずに理想と現実のギャップに苦しむ。母親の世代には夢があったが、娘の時代には夢も…
文學界(2022年5月号) (文學界新人賞発表) 文藝春秋 Amazon N/Aとはnot applicable、該当なしの略語らしいが、その意味で合っているのだろうか? わたしは読了して検索するまで自然吸気エンジンだと思っていた。なぜなら、それ以外思い当たらなかったし、主人…
眼球達磨式 作者:澤大知 河出書房新社 Amazon 文藝賞受賞作品。私は文藝の方で読んだ。 これは視点が新しい、という。というのも、小型ラジコンの魚眼レンズ越しに見る世界を描く。視点が、人間ではなく機械なのだ。 その機械が置物の猿などと友達となり……。…
教育 作者:遠野遥 河出書房新社 Amazon 芥川賞受賞後第一作、というので、最近の芥川賞作家を思い浮かべるも、誰だか分からず。ググると、ちょっと前の人だった。 わたしは受賞作、破局も読んでいる。 yoshinori-hoshi.hatenadiary.jp 今回の作品の主人公も…
文藝 2020年冬季号 河出書房新社 Amazon 女子高生の物語。どうしてこうもリアルに恥ずかしげもなく女子高生や高校を表現出来るのだろうかと感心した。作者は本当の女子高生だった。 高校生活が懐かしくなってしまう作品。ちょっと寝る前に数ページ読もうと思…
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) 作者:カズオ・イシグロ,土屋 政雄 早川書房 Amazon 言わずと知れたノーベル文学賞作家の代表作である。 ネタバレあり 内容はありふれた臓器提供用クローン人間の話なのだが、描写が半端ない。とことん、描写を読者にぶ…
母の待つ里 作者:浅田次郎 新潮社 Amazon 浅田次郎の新刊を新品で定価で買った。単行本を定価で買ったのはいつ以来だろうか。出版不況を自分で感じてしまった。 あらすじは、カード会社の新サービス、ふるさとをあなたへ、という、架空の故郷と母親が用意さ…
オール讀物2021年11月号 (第101回オール讀物新人賞発表) 文藝春秋 Amazon 第101回の受賞作である。101回からオール讀物新人賞は歴史物限定となった。 受賞作はミステリーなのでネタバレしてしまうとつまらない。ネタがわからない程度に感想を書く。(果たし…
文學界(2021年5月号) 文藝春秋 Amazon 芥川賞候補作のschoolgirlがよかったので、文學界新人賞の悪い音楽を読んでみた。 つまらない作品ではなかったが、schoolgirlのようなパンチはなかった。 話のネタと言うよりも、文章にパンチがない。次々打撃を食らわ…
Schoolgirl (文春e-book) 作者:九段 理江 文藝春秋 Amazon 即席でつくったんだろうけど、この表紙はなんか変だ。 ものすごい勢いの作品。怒濤のように言葉が押し寄せてくる。 掛け値無しで面白い作品だった。 あらすじは、一人娘を育てる母親の話。娘はグレ…
我が友、スミス 作者:石田 夏穂 集英社 Amazon タイトルからしてイカしている。わが友ヒットラーのオマージュか? わが友ヒットラー (1968年) Amazon スミスとは一体何者か、と思うが、答えは筋トレマシーン。 筋トレ小説である。 ただ、大会までの道のりを…